クレジットマスターとは
- クレジットカード番号生成の規則性を悪用するプログラムを用い、
- 正規に発行される有効なクレジットカード番号を割り出し、
- 加盟店様の決済フォームを踏み台にして、
- そのクレジットカードの有効期限とセキュリティコードが判明するまで機械的に攻撃を繰り返す
割り出された有効なクレジットカード番号は、通販サイトやオンライン決済で不正利用されます。 割り出す過程においてECサイトの決済フォームが悪用されることから、 加盟店様は知らず知らずのうちに犯罪に巻き込まれていると捉えることができます。
- 偽計業務妨害罪
- 大量の攻撃により加盟店様のシステムに障害が発生し、サービスの停止を余儀なくされた場合などに適用
- 電子計算機使用詐欺罪
- 加盟店様の決済システムへカード名義人になりすました第三者が不正にアクセスし、財産上不法の利益を得た場合などに適用
カード所有者に被害を及ぼすまでの流れ
- クレジットカード情報を割り出すための機械的な大量の攻撃
- 悪意ある第三者とのカード情報売買
- カード情報を不正利用し、転売価値の高い商材を購入
- 不正利用によりカード停止
クレジットカード不正利用被害の状況
番号盗用の被害割合 94%
https://www.j-credit.or.jp/download/news_202300000195.pdf
また、今後はクレジットマスター対策についても加盟店の「基本的なセキュリティ対策※」の一つと位置付けられ、対策の必須化も予想されます。
クレジットマスターによる影響
加盟店様側のリスク
- トラフィック量増加などに伴いサーバー障害が起きる
※クレジットマスターは短時間に数万単位で発生する場合もあります - カード会社が承認率を低下させ、正規ユーザーによる購入に影響がでる
- カード手数料率の上昇やカード会社との契約の停止
- サービス停止や情報漏えいなどにより、顧客からの信頼を失う
カード所有者側のリスク
- 不正利用による金銭的被害
- カードが利用停止になる
クレジットマスターへの対策
※完全に安心な対策はありません。犯罪手口の変化に合わせて継続的な対策が必要となります
予防策
クレジットカードの
入力回数を制限する
クレジットマスターは機械的な攻撃を繰り返す手口であるため、回数制限を設けることで試行しづらくする対策が有効です。
bot対策を行う
クレジットマスターではbot(ボット)という自動化ツールの使用が一般的であるため、「reCAPTCHA」などの対策ツールを導入し機械的な入力を弾くことが有効です。
不正検知システムを導入する
不正検知システムとは注文を監視・審査し、不審な注文を検知するサービスです。 bot対策ツールとは異なり人間による手動の不正行為を見抜くことが可能となります。
発生時の対策
攻撃されている箇所の機能停止
サイト上の会員登録・カード情報変更・決済機能など、繰り返しアクセスがされている箇所を停止することが有効です。サーバーサイドに直接フォームリクエスト送信されている場合に備え、可能な限りサーバーサイドでの機能停止を推奨いたします。
不正なアカウントや注文の確認
大量に新規登録されている不正なユーザー、アカウント、決済情報をご確認ください。チャージバック(第三者のカード不正利用を理由とする売上取消)となる可能性が高いため、取引削除、発送中止などのご対応を推奨いたします。
被害発生が確認された場合は、警察への届け出もご検討ください。
まとめ
加盟店様/カード所有者に降りかかるリスクを予防するため、引き続きクレジットマスター含むセキュリティ対策についての情報収集/検討/対応のほど、どうぞよろしくお願いいたします。